60年代からロックバンドが交響楽団と競演したり、クラシックの曲をポップスとしてリリースしたりといったことはよく行われていました。クラシックで使う楽器やオーケストラでロックを演奏したり、逆にクラシックの曲をロックの楽器で演奏するといったケースが多いのですが、これはそれほど不思議なことではないような気がします。クラシックも発表された当時は娯楽のために作曲されたものが多く、当時のポップスといってもいいからです。
ムーディーブルースの「サテンの夜」もそうした曲のひとつです。ムーディーブルースの曲をオーケストラを加えて演奏したもので、ロックとクラシックの競演という意味では最初の曲かもしれません。ピンクフロイドの「原子心母 part1 part2 part3」はもっと大掛かりな曲で昔のLP版の片面で一曲が演奏されている大作です。
ハードロックバンドのディープパープルもオーケストラと競演しています。ロイヤルアルバートホールで競演したライブがアルバムとして発表されています。曲はディープパープルのキーボード奏者のジョンロードが書き下ろしています。
ディープ・パープル&ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ
part1 part2 part3 part4 part5 part6 part7 part8
以上の曲はすべて1960年代に発表されたもので、最近ではアルカトラスのギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンやメタリカなどがオーケストラと競演しています。最近といっても90年代の話ですが、60年代当時と比べるとロックも公に認められている時代です。そう考えると60年代はまだロックは文化としては定着していないにもかかわらず、オーケストラとの競演をしたディープパープルは先駆者といえるかもしれません。
イングヴェイ・マルムスティーンの場合はロックとオーケストラというよりもロックギターとオーケストラの競演です。ギターも早弾きができればバイオリン並みのメロディーが弾けるという見本のようなものです。
イングヴェイ・マルムスティーン
Trilogy Suite Op 5, the First Movement
Icarus Dream Fanfare with Orchestra
メタリカ-シンフォニー&メタリカ(S&M)
Master Of Puppets
The Call Of Ktulu
Enter Sandman
Nothing Else Matters
個人的にはメタリカの演奏が最も違和感なく楽しむことができます。ハードな曲にオーケストラが加わることでさらに厚みが増している感じです。
The Call Of Ktuluはラブクラフトの小説に出てくるクトゥルー(クトゥルフ)伝説を題材にしています。ラブクラフトはホラー作家ですが、私が読んでいたときにはホラー小説ではなく恐怖小説と呼ばれていました。小説は1926年に発表され原題は「The Call Of Cthulhu」となっています。ステーブンキングなどにも影響を与えた作家ですが、そのうち体系的に読んでみようかと思っています。
オーケストラの指揮をしているのはマイケル・ケイメンで60年代にニューヨーク・ロックンロール・アンサンブルというバンドでやはりクラシックとポップスの融合を試みています。その後映画音楽の世界に入りましたが、メタリカとの競演はひとつの集大成になったのではないでしょうか。既に亡くなっているようですがすばらしい作品を残しました。
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